カサンドラが陥りがちな、「自己犠牲」という名の愛について。

メンタル

夫の扶養からぬけだしたい という本を読みました。

夫の扶養からぬけだしたい
ワンオペ育児、夫の心ない言葉…。収入があれば幸せになれる? 専業主婦のももこは 出産・育児を機にマンガ家になる夢を諦めた。 収入がないことに引け目を感じ、 言いたいことを我慢する日々。 理解しようとしてくれない夫の態度や発言。 すれ違いによって揺れる夫婦の関係。 扶養から抜け出し自立することを決意するももこだが…。 W...

夫のモラハラに追い詰められる妻の心情が、丁寧に描かれていました。話の内容や結末は本書に譲ります。

わたしがこの本で気になったのは、あとがきに書かれていたこの文章。

「本当にこんな夫いるの?」という人と「うちの夫について描いているのかと思いました」という人が半々くらいだった という旨の文章。

わからない人には全くわからない、モラハラという人の生態。

ここで問題にすべきは、なぜ自分は、「本当にそんな人いるの?」という側に回れなかったか、という点。そしてどうしたら、今後「モラハラ」とは無縁の世界にいけるか?という自分への質問。

自己犠牲という名の愛

ある心理学の論文によると「少し無理してでも相手の役に立ちたい」という気持ちを、お互いが持っていると、その二人は良い関係を築けるそう。それはわかりますよね。

でも大事なのはここから。

少しでも自己犠牲してしまうと、自己犠牲した個人の幸福感はダダ下がりになるんですって。だから、パートナーに自己犠牲させてはいけないし、自分も自己犠牲してはいけないの。

このあたりの話はきっと、カサンドラ界のみなさまには、腑に落ちるお話ではないかしら。

相手のことが好きだから。そう思っていても、二人がいつまでも仲良くいるために自己犠牲をしてはならない。

「正義」と「正義」がぶつかり合うとき

人にはそれぞれ正義がある。本書の夫 つとむくんにも彼なりの正義がある。そしてその大義名分をつらぬくために、妻に暴言を吐いてしまう。

「自分が正しい!」と思うとき、それに加えて「(相手のために)自己犠牲をしている」と思うとき、きっと人は余裕がなくなるのだ。自分ばかりが損している気になって、相手に優しくなれない。

相手の立場に立って考えるというのは、かなりの高等技術で、精神的な余裕がなくなると難しい。

本書を読んでいて、人はもっと我が儘でよいと思った。

家族のためにやりたくもない仕事をし、上司からの無理難題に応えるつとむくん。専業主婦という立場に引け目を感じ、夫に忖度してしまうももこちゃん。

変に無理をすると、優しくなれないのは当然だから。

自分に優しくしないとダメですね。

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